2021年7月17日(土)19時から、岡山NPOセンター主催「はじめてのパブリックコメント」ひさしぶりに会場参加とオンラインのハイブリッドで無事にやりきりました。
会場のビジュアルはニュース番組、、、。
東畑開人さんの言葉に乗っかり「素人に毛を生やす」という居場所を見つけることもできました。いろいろな要因で予定とは全く違う進行となり、はじめてイベントなのにガイダンス無しで本題に突入しましたが、最後の大喜利ではナイスアイデアも飛び出しました。参加者の皆さんの柔軟さと誠実さ、それに加えて現実味のある対話の時間となりました。
www.asahi.com
【今回は「過疎」特集】
まずは参加者の皆さんで「過疎イメージ」を言い合いました。
・人口減少→ さらに人口減少。
・若年層減少→ 活気がなくなる。
・税収減少→ 行政の運営資金不足。公共サービス劣化。
・国からの補助金や配当減少
・近所が遠くなる。アクセスが不便になる。
・地区の溝掃除など、みんなでする町の共同作業ができない。
・子ども会がなくなる。
・最低限の衣食住は確保しても利益が出ない。
・教育の格差拡大。県立高校も基準を超えて定員割れが続くと統廃合の対象。高校があることが地域の存続にかかわる。
・よくなること:質素でシンプルな農業ベースの生活。
現在募集中のパブコメは「過疎地域持続発展計画」がズラリ。
・高梁市・赤磐市・奈義町・久米南町
〇高梁市過疎地域持続的発展市町村計画(案)についてご意見を募集します - 高梁市公式ホームページ 7/26〆
〇過疎地域持続的発展市町村計画/赤磐市 7/19〆
〇奈義町/パブリックコメント 7/20〆
〇久米南町/久米南町過疎地域持続的発展市町村計画(案)に関するご意見募集 (kumenan.lg.jp) 8/2〆
「総合計画」も2件。
・早島町
・備前市
〇第5次早島町総合計画基本構想素案、基本計画素案に対するパブリックコメントの実施について/早島町ホームページ (hayashima.lg.jp) 7/31〆
〇各種パブリックコメント - 備前市ホームページ (city.bizen.okayama.jp) 7/30〆
こうなると、比べてしまうのが人間の性。
、、、目次の項目立ては、ほぼ同じ。
なぜ?どうして?
違う町なのに、どうして体系立てたら同じになるの?
これか!?
「過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法」
https://www.soumu.go.jp/main_content/000752615.pdf
こちらの法律に合わせて作るから、そうなるようです。
たしかに、先月は県の計画が出ていました。
素人らしく、地道に読んでみましょう!
1【こんな連盟を発見】
全国過疎地域連盟!!
過疎対策について、昭和45年から提案を続けている巨大組織です。過疎に関するメインストリームな情報が満載です。
www.kaso-net.or.jp
*ちなみにこのサイトの「過疎動画」は貴重な映像の宝庫です。
こちらの情報によると、
日本では47%が過疎自治体だそうです。
2【予習の段階で大発見】
「過疎」の規定そのものにも問題を投げかけているのが、真庭市。
★現行過疎法の『人口要件』『財政力要件』では、過疎地域を規定することができなくなるのではないか??
「里山資本主義」真庭の挑戦
〇https://www.city.maniwa.lg.jp/uploaded/attachment/19726.pdf
〇地方創生カレッジ 145:「里山資本主義」真庭の挑戦 ~真庭市の地域資源を生かした戦略と地方創生の取り組み~
横並びの自治体とは一線を画しているように見えたので、パブコメとは関係ありませんが、今回紹介しました。
〇トークセッションをYouTubeにて配信|NEWS|GREENable HIRUZEN - グリーナブル ヒルゼン|自然とつながる、出発点。
こちらは、とてもわかりやすいです。
詳しい方によると
「地域の経済循環を大事にしている『回る経済』。先進的な取組として、他の自治体も真庭市を真似しようとしている。」とのこと。
さらに他自治体の持続発展計画が【令和3年度~令和7年度の5年もの】であるのに対し、真庭の総合計画は【2040年に至るプロセスとしての5年もの】。
〇第2次真庭市総合計画 - 真庭市公式ホームページ
「人口減少を逆に豊かさにつなげていく」
「自動販売機でペットボトルを売らないいきおい」
「女性の人口増加に重点を置く」
に耳が大きくなった気がしました。
3【個性的な計画発見】
事情が異なる自治体としては、早島町。
人口が減っていない早島町。
総合計画の基本構想素案は、項目立ても独特。
余白そのままの提示は、何か意見を聞いてもらえそうな気がして、町民でもないのにワクワクしました。
4【久米南町に、お節介してみるワーク】
比べて見ると、一番気になるのは久米南町。
知る限りの知識を総動員して、気になることを言い合ってみました。
[気になる表現篇]
・「多様な主体」は具体的に示した方がよい。
各分野のエキスパートが久米南を支えるよ!
・「若者の定着還流を図るため、企業と大学が協働する」
この世代に関する記述が少なく、前後の人口施策との落差でしょんぼり。
・「地域産業の活性化」「観光業を推進」「企業を誘致」
ICT設備が整ってないと、サテライトオフィスは来ないのでは?
さらに下水道普及率 62%とあるのも気になる。
・「戦略的プロモーション」ざっくり感+他の自治体とそっくり!
法律の基準や国の方針があっても、町に合う次のステップを目標にしては?
法律ありきで無理くりな感じがしてしまう。アウトソーシングの影響??
・真庭みたいに図があったら読みやすい。
[こんなアイデアいかがでしょうか]
・町を出た高校生が、県内や県外から地元に帰って来る率を踏まえて、現実的な作戦を立てたい。
・公営住宅、縮小廃止の方向とあるが、魅力的な活用をしている町もある。
www.town.kamiyama.lg.jp
・道路整備、意見が色々。
①道路整備は必要?「コンクリにすれば」は短絡的で前時代的。数名がつかう道より、次世代支援では?
②要望があるからと言って「場当たり的な対応」するのには反対。
③人口減少なのに大きな道路ばかり、維持費が莫大。岡山市内でも渋滞解消のために道路を広げたら、公共交通が廃れて、さらに車が増えてまた道路が広がる。道路を広げることを優先すると政策が引きずられるのでは?
④実際には道路を整備してくれ、という要望が多いらしい。
・企業誘致に意見が色々。
①「がんがんつくるぜ製造業、大量生産大量販売」スタイルの誘致は時代遅れ。
②何年間かとまっているが、将来的にすると書いてある。え?また?反対運動があったのでは?
③企業ごと観光を誘致とか、農業を中心に町をあげて広範囲ごっそり貸すとかは?
・異世代がひとつのテーブルでは話をするべき。世代によって、意見が違う。アウトソーシングや上意下達だと、そういう意見を踏まえた案にならない。多様な主体というのは、そういうことであるべき。
5【お節介大喜利!「久米南町」】
産毛の生えてきた参加者の皆さんで
「こんな久米南町に住んでみたい大喜利」
「人口が少ないから医療費・教育費タダ!
エッセンシャルワーカーは所得税ゼロ%!の久米南町」
「若者少ない分、70 歳も現役だ!
ぴっかぴかのシルバータウンで死ぬまで現役!
~年寄りになったら皆で久米南へ」
「大歓迎・イケてるコンサル!
一緒に住んでくれるアウトソーシング求む!
~本気のコンサルに報酬を惜しまない久米南町」
「久米南町・岡山と津山の別荘に!
土日だけ農業しに来ませんか?
~休日は、イオンより久米南町へ」
「ロングラン公演できる劇場がある町、久米南町
~坊ちゃん劇場ならぬ、カッパ劇場」
6【ふりかえり】
・みんなで考えるのは重要。魅力が何もないのなら、だからこそ、「ないもの」を生かそう、映画館がないから映画会をやると、コミュニケーションの場が生まれる、と真庭の教育長が言っていた。
・人口が少ないからこそチャレンジできる、カタチにできる。
・生活環境の整備を読むと、地域の現状がわかる。一つの自治体だけでは下水やし尿処理などができない、まわりの自治体と協力しているのだと知った。
自分の生活とは直接かかわりのない町のパブコメを読む時間でした。
実は、他の町のことなど知らなくても私たちは何不自由なく生活出来るかもしれません。
しかし、知ってしまったからには、見て見ぬふりをするよりも、なんかできることを探す、その行為自体が、豊かで大切なことだと、みなさんの声を聴きながら、じわーっと感じました。
おそらく、こういうのも、素人が毛を生やす方法の一つなんじゃないかと、思います。
次回は、8月23日です!
www.npokayama.org