「私ら狭い世界に生きとる。世界は広い」
帰国後第一声、迷いのなさが印象に残る
「でも帰ってきたらホッとした」
「和食はおいしいわ」
彼女の料理は、野菜作りや発酵食品づくりまで病膏肓に入ってしまっている。ほとんど独学である。何か質問すると、すぐ「ネットに何でも載っとるよ」とニヤリと笑う。
口癖は「気になってちょっと作ってみたんよ」
そして、人に食べさせるのが好き。なんていい人なんだろう。
そんな彼女が、旅先で食べたポルトガル料理を再現してみたい、とのこと。
おいしい食べ物が三度の飯より好きな友人を招いた。
数時間の格闘の末、私には料理を文章で書く力がない。以下は記録。
●ガスパチョ トマト・にんにく
●ガーリックトースト バターは何とエシレ
●ビフィーナ 豚ではなく牛肉・バルサミコ
●鶏肉のローズマリーとトマト煮込み
●海鮮スープ
●荏胡麻キムチ
●おにぎり 荏胡麻キムチと梅
●瓜の糠漬け
●肉と芋 彼女の昨日の夜ごはん
●今年仕込みのブランデー梅酒
●4年前仕込みのホワイトリカー梅酒
●ココナツミルクに干芋と白玉団子と小豆
●野菜、ナッツ、干し果物、チーズなどなど
***上記一覧では「海鮮スープ」のみの記載だが、私自身はこの名もなきスープにたまげた。知らない味ではない、おいしいものたちが、凝縮されすぎていて、ちびちびしか飲めない。そのうえ、あとをひく。文字と現実が最も乖離しているので、付記しておく。 **********
材料の野菜は自家製。
いともたやすく作ったように本人は話をする。
料理好きの友人は、共感するところが多かったようで、見たことのないような喜びようだった。そもそも手間のかかることを、好きだからやってはいるけれど、めんどくさい作業の達成感は、実際にやった人にしかわからない。
以前この二人が、「桑の実の軸を外すのってホントに大変だよね」と意気投合していたことを思い出す。
大きさとか分量とか、火から下ろす頃合いとかに、磨かれたセンスがやはり必要。毎日の生活を丁寧に営んでいる人特有の、飾り気のない繊細さに、食べるのだけが得意な自分は、気持ちよく味わわせてもらってしまう。本当に遠慮せずにバカバカ食べて、気が付けば写真の一枚も撮っていなかった。
14時に集合してから、22時の解散まで。
暑い日差しが、とろーん、と、夜になっていた。
食べて飲んで話して笑って驚いて、人と一緒に食べるのは楽しい。
また「食べる」の実習を企画しよう、と胃袋は決意を固めている。
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ポルトガル料理の作り方や謎など、気になった方は、ヨノナカ実習室までご連絡ください。料理人の方に問い合わせたうえで、お返事いたします。
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