6月16日(水)のよる会[岡山NPOセンター主催]にて、「はじめてのパブリックコメント」やってきました。3名の参加者の方と、スタッフ3名で90分、パブコメしてみました。今回取り上げた案件は「岡山県過疎地域持続的発展方針」素案と、「岡山県酪農・肉用牛生産近代化計画(素案)」の2件。
★「岡山県酪農・肉用牛生産近代化計画(素案)」
https://www.pref.okayama.jp/page/detail-87255.html
令和3年7月5日(月曜日)まで
★「岡山県過疎地域持続的発展方針」素案
https://www.pref.okayama.jp/page/718453.html
令和3年7月2日(金曜日)まで
【気になる言葉たち】
・「過疎」ってそもそも?
・「危機感」身近じゃない上に、読んでも危機感を伝えようという感じはしない。
・「5G」岡山市内でも5Gがピンと来ないのに、過疎地域で5Gなの?
・「近代化」ロボットとかICTのこと?
・「大規模化」かつ「ブランド化」ということ?
【ヒントになれば。。】過疎地域持続的発展計画
★「見落とされがちなこと」⇒単身移住者支援
地域に嫁いできた嫁さん、地元に残っている人たちのことをもっと支えるには何が必要だろう?お金?制度?
★「過疎対策の思い込み」⇒[人を呼び込む+人を出さない]▼
将来の前向きなUターンのためには、むしろ手厚く支援して、就職や進学のときに地域を出て行く人を応援する。若い人たち自身が可能性を広げることに期待するべき。そもそも、「入ったら出られない土地柄」と聞いて来たくなるだろうか?
★「行政がグイグイやるべきこと」⇒効果的な投資
①Uターンへの投資
大事に育てて大事に外へ出す ⇒ 個人の可能性を広げる
✖付け焼き刃的研修
✖県内企業のみに対する就職支援 ⇒ 起業・地域事業者の継業支援
②芸術家の支援
地域の魅力や利点(インフラ以外)を独自の視点で発掘・PR・+α
【ヒントになれば、、、】酪農・肉用牛生産近代化計画
★「農業は大規模モデル」派の意見
現在は、集約と淘汰のプロセスにある。規制緩和や米の自由化に反対した理由「小規模農家が潰れる!」が現実化。投資ができなければ、厳しい。海外でも動物愛護と環境保護に関する政策が厳しく、基準に対応する畜舎の建て替えに投資できなくなっての離農が後を絶たない。
投資 ⇒
効率化・生産性向上・適正な管理・労働負担軽減
⇒ 儲かる大規模農業
★「大中小・複数モデル」派の意見
最大の問題は後継者不足。多様なスタイルを想定して、R12年に向けての試算を行政が本気でするべき。「とにかくでっかくしたい人」「愛情注いで酪農の専門性を高めたい人」「1から10までメイドイン自分がやりたい人」「農業好きで従業員として給料もらいたい人」「小さくても自分の農場をもちたい人」「誰かのために酪農をやりたい人」「酪農、農業ともう一つの生活も楽しみたい人」などなど、多様な就農の経営についての誠実な試算をして欲しい。
ところが、明らかに素案が「家族・夫婦の大規模モデル」。驚くべき事にR12年の一戸あたりの頭数[114.7頭]は世界第6位(2013)。68頭の北海道の2倍をイメージしている岡山県。す、すごい。
★「税金をかけた野心的な計画」派の意見
モデル事業を募集してみてはどうか。意気投合した2人の若者が10年かけて年収1000万(1人)になるような事業を提案する。県が伴走しながら、実証データを修正しつつ、同時進行で新規就農をサポートしていく。必要なところに注がれる税金に文句は言わない。
【今回も出ました!新アイデア】
★SDGs畜産コンテスト
これだけSDGsと言っているんだから、実践するための億単位の投資を前提にナイスアイデアを募集して、厳しく前向きに検討してくれる専門の人たちが突っ込みながら、事業を持続していくとか。
★県立の農業高校卒業生応援条例
家族経営+αの持続性を考えながら、農業高校出身者が規模や就農までの学びの方法も選択しながら、農業高校出身者同士での起業や継業を10~20年単位で支援して、官民連携の形を作るとか。
★芸術家と手を結ぶ
滞在制作支援、イベントの実施、アートイベントの参加者のサポートのようなソフト面への本気の取組
【全体を通して】
・ピンチを乗り越えるためのナイスアイデアを提出していこう。
・昔からある書類をチョチョッと手直ししてパブコメにかけてる疑惑。前例踏襲疑惑。
・方針だけではなく、具体的な動きにするまでのプロセス(予定)や、スケール(予算)を知りたい。
・パブコメをみた市民が「わからないからかけない」「まだ私はパブコメ出せる段階じゃない」と言うような形でのパブコメは提示する側に問題がある。
・一番伝えたい人に伝わらないスタイル。何を聞きたいのか不明瞭。せめて危機感と、チャームポイントはわかりやすく示して欲しい。
・パンフレットみたいに、絵や図で工夫してわかりやすいものにしては?
そうなんです。予定と予算が載っていないパブコメは残念です。
載ってるパブコメもあります。
「行財政改革計画」だからかもしれませんが。
ここでふと思います。私たちの税金の規模ってどれくらいなんでしょう?「県税のあらまし R3年度版」によると、県民1人当たりに使われるお金は40万円だそうです。
627864_6548786_misc.pdf (pref.okayama.jp)
あほみたいな単純計算をしてみましょう。
人口190万人で計算すると、1人が100円ずつ出すと、1億9000万円です。
新規就農や、県外に出て行く若い人や、過疎地域を面白がってくれる芸術家に可能性を広げて欲しいので、皆で1000円ちょっと出して、20億円をうまいこと使ってもらいたい、と私は思います。
元気の出るアイデアを出すには、柔らかい脳みそが欲しいなあとも思うので、若い人や小さい人の意見も聞いてみたいものです。
折しも、岡山県議会が募集していた「家庭教育応援条例」が話題になっておりました。今回は議会が意見を募集していたので、議会でどんな議論が行われるのかを中継や議事録で知ることができます。多数決とは少し違うパブコメの良さが役に立つことを期待しています。
【参考】
京都市子ども未来はぐくみプラン
京都市:京都市はぐくみプラン(京都市子ども・若者総合計画) (kyoto.lg.jp)
厚生労働省HPより
2020(令和2)年4月1日時点の待機児童数について
PowerPoint プレゼンテーション (mhlw.go.jp)
次回は、7月17日です!
よろしかったら、是非!